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「私家随想録」とタイトルを付けさせて頂いたpageですが、こちらでは店主の着物や染織に関する視線を何となく文章としたものです。
そもそも、弊店HPを開設した1999年8月にはBlogと言う存在もなく、HPの中で「店主の着物に付いてのお話」を掲載したのが、このpageを始めるきっかけででした。
恐らく、着物/染織に関するお話について客観的な情報は極めて少ないかと思いますので、知識としてご参考になるものではないかとも思います。
なお、掲載記事と掲載画像とは基本的に関係がありません。掲載画像はあくまでもイメージとして捉えて下さいます様、お願い致します。
手描き京友禅

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きものと染織のお話
着物の悦び
名古屋 呉服屋
Back.No_-30.
着物の悦び
みさやま紬
型絵染め帯:板倉真理子(国画会)

この夏の間に「どうしたら着物を上手く買うことが出来るか?」と質問される事がありました。
着物専門店を経営している私に対して、その質問は、ある意味で「?」と言うニュアンスがありました。「ある意味」というのは、本来、着物を買うのは「私」ではなく「消費者」である筈で、着物を誂えるのに馴れている消費者に質問した方が正確な答えを期待出来るように思います。もし、消費者が「思い通りの着物」を「上手く」買う方法を、着物専門店としての「私」が知り尽くしていたら、順風満帆な経営が見込めるでしょうね。私も教えて欲しいくらいです(笑い)。。。

さてさて。。この質問なんですが、実は、結構「深いもの」が感じられる訳です。つまり、質問をされた方がイメージしている質問の意図は、根深いところにあるのです。このコラムを読んで居られる方の中にも、この類の質問のニュアンスを嗅ぎ取って居られる方も居られるかも知れませんね。

「どうしたら着物を上手く買うことが出来るか?」と質問をした方は、着物を誂えようと思っている方の中には、着物に関する知識が全くない場合があるし、自分が求めている着物は、帯は、どこに行けば、どれだけの予算で買うことが出来るのか? と思い悩んでいる人も少なくはないと考えて居られた様です。
確かに。。私宛に送られるメールの中には「着物に憧れているけど、全く知識がない。色々と教えて欲しい」と言う内容のメールを戴くことがあります。

着物を趣味性やファッション性で捉えると「着物」とか「呉服」とかの一言で括る事が難しくなるような気がします。紬などをイメージして着物を捜している方が、晴れ着専門店に足を向けても、イメージする着物は見付からないと思います。反対に、職人芸の効いた京友禅を、量販店で捜す事は簡単ではないと思います。
呉服屋さんにも「タイプ」があるのです。もちろん、何から何までしっかり揃えている呉服屋さんもありますが、ある種の着物だけを扱う専門店もあります。「何から何まで」のお店にも魅力があると思われるし、決まった品目だけを扱う専門店には強い意志としっかりとしたイメージが感じられます。こうした両極端なお店ばかりだと、購入者には分かり易いのかも知れませんね(笑い)。
殆どの呉服商が、これら以外に該当するようなのです(これは複数のお客様からも聞いた事でもありますが)。つまり、購入者側が、お店のタイプを判断する必要があるのです。でも、販売者側は、扱い品目に自信を持っていて、来店された方を「お客様」と認識する訳ですね。ここで「行き違い」みたいなモノが生じる訳です。

2・3度、着物を誂える。複数の呉服屋さんで、着物を誂えたり、仕立てを依頼した事がある方は、この「行き違い」のニュアンスを上手く理解できるかも知れませんね。しかし、ほぼ初めて着物を誂える方にとって、この「行き違い」が不快感や不信感と言ったネガティブなイメージに繋がる事になりかねないのです。

「着物を上手く買う」と言う質問をした方は「求めている着物」をどうしたら見付けられるか? それには「どれほどの予算を考えたら良いか?」と言う、意図があった様なのです。
その中で「行き違い」があれば「求めている着物」は買うことが出来ない訳です。こうした「行き違い」が結構多いようなのです。だから、専門店の私に訊かれたようなのです。

着物初心者の方にとっても、こうした「行き違い」は失望に繋がるので、避けて通りたいところだと思います。出来れば、イメージに近い話を聞けるお店に巡り会いたいところでしょう。
逆に、私は質問をした方に「次に欲しい着物はなんですか?」と質問をしてみました。すると、「次に欲しい着物」を頭の中で思い描く訳です。また、その着物がどんなタイプのお店で扱っているかも知っている。実は、これは、初心者も経験者も、同じだと思うのです。ただ、経験者と違うのは、どこで扱っているか? と言う程度の事ではないでしょうか?

着物の悦び
京染め小紋
手描き友禅染め帯

さて。。ここ「どこで扱っているか? と言う程度」と申し上げましたが「ココが問題だ」と言われる方も居られます。
見た目は、多くの呉服屋さんは「趣味の着物」とか「高級呉服」とか謳っているし、紬と言えば紬を見せてくれるし、小紋と言えば小紋を見せてくれる。展示会に行けば、何でもある。。。
確かにそうですね。でも、「行き違い」みたいなモノが生じる訳です。「趣味性」とか「感性」の問題なんですね。
きっと、これは、好みのファッションブランドを捜すのと同じよく似ているのではないかと思います。同じ「トレンド」かも知れないけど「あう」or「あわない」がある。理屈では割り切れない感覚なんですね。それなら、まずは、雑誌メディアやウインドウショップから、イメージを創り、街の専門店に出掛ける。ちゃんとしたイメージを創って「テイスト」の適った呉服屋さんを捜す事だと思います。
呉服屋さんの「テイスト」を嗅ぎ分ける事が必要なのですが、それともう一つ、重要な要因として「雰囲気のあう」呉服屋さんである事も必要の様です。
「テイスト」は扱い品目についてなんですが「雰囲気」は販売者の姿勢みたいなものです。着物は、規格製品でない為、やはり、呉服屋さんの主観が大きく影響します。それは扱い品目の「テイスト」にも反映する訳ですが、やはり、「誂え」と言う自分の寸法とイメージに適った着物や帯を提案する訳です。やはり、誂える者のイメージや気持ちに適った提案が出来ると言う事は必要不可欠な要因ではないかと言う事です。

さて。。。「着物を上手く買う」と言う事は、つまり、呉服屋さんを上手く選び、上手く付き合う事の様なんです。パソコンや家電のように1円安いからと言って「テイスト」に適う訳ではないと思います。やはり、永年付き合って行ける、袖を通す度に悦びを感じることの出来る着物を得る事が出来る方法は、呉服屋さんの「付き合い方・扱い方」なんでしょうね。

私は、男性としては「買い物」をする事が多い方だと思います。服も買えば、眼鏡も買う...、買い求める店はほぼ決まっているけど、他の街に行けば「必ず」ウインドウを覗くことが習慣になっています。つまり、無意識の中で物色をしている訳です。それは「お店の雰囲気」や「扱い品目のセンス」「プライス」ですね。他の街で何か買えば「対応」なんかも比較してしまう。
私は、他の専門店で着物を誂えることはあり得ないけれど、買い方や捜し方に、他のモノと大きく異なると言うイメージはありません。価格や品物について、確かに予備知識がないと、とても不安になりますが、やはり、「好きなモノ」を買う、「好みのモノ」を捜すためには、まずは情報を集めて、実際にお店を廻る方が近道てある様な気がします。

冒頭の「質問」をされた方についてなんですが、この方は、1年程、色々な呉服屋さんを廻ったそうです。弊店に、来店されて、色々とお話をしている間に、こんな類の質問に至り、私の買い物の仕方や、メールで寄せられる質問やご意見などをあわせて、お応えさせて戴いた訳です。そのお客様が「呉服屋さんって多いようですが、実際に捜す事にはエネルギーが要ります」と言って居られました。

2004/09/** update
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