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「私家随想録」とタイトルを付けさせて頂いたpageですが、こちらでは店主の着物や染織に関する視線を何となく文章としたものです。
そもそも、弊店HPを開設した1999年8月にはBlogと言う存在もなく、HPの中で「店主の着物に付いてのお話」を掲載したのが、このpageを始めるきっかけででした。
恐らく、着物/染織に関するお話について客観的な情報は極めて少ないかと思いますので、知識としてご参考になるものではないかとも思います。
なお、掲載記事と掲載画像とは基本的に関係がありません。掲載画像はあくまでもイメージとして捉えて下さいます様、お願い致します。
手描き京友禅

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きものと染織のお話
着物の悦び
名古屋 呉服屋
Back.No_-35.
着物の悦び
琉球絣/琉球藍:大城廣四郎
本紅型帯:城間栄順

Netの中で「着物」に関する情報を検索すると膨大な量のPageが検索結果として出て参ります。
用語/語句を変えながら、眼に付いたPageを斜め読みをしながら、1時間、2時間と時間を費やしていると、着物に対する様々な価値観みたいなものを感じられました。
着物専門店として、着物を販売すると言う目的で、何を集め、どの様にして、幾らで売るかも「価値観」とされるのだと思います。弊店が、HPを開いたのは1998年。
20世紀の頃(笑い)から続けている訳ですが、98年頃のNet上の着物情報と比べると、2007年現在の着物情報は、総論としての着物の価値観も変えつつある様な気がします。

1980年年代以前を「昔(むかし)」と捉え、現在と比べると、着物は「形式」「様式」の「道具」としての需要が多かったように感じられます。
また、この形式/様式が豪華であることがステイタスとされる価値観が少なくはなかったと思います。着物専門店として、正直に申し上げると、商売的には「高いもの=最高のステイタス」と勘違い/錯覚をして頂けると嬉しいんですが(笑い)。。。

冗談はさておき。。。現在、Web上で、私はぼんやりとする事があります。着物に関するBlogを拝読していると、着物に対する価値観、特に「着物を着ると言う価値観」がよく見えるんですね。お客様とお話をしていても伝わることなんですが、Web上には、更に多様な価値観が横溢していたんです。

こうしたBlogをみていると、染織であった着物/帯が、確実に「着物」として昇華されて染めの着物として美しく魅せ、織の着物としてKimonoCultureを感じさせている様に、思うんです。

私は、HP上で、扱い品を掲載している訳ですが、その際、その掲載品についてコメントを添えます。
出来るだけ自分の言葉で「もの」に込められた「Something」を伝えようとします。
これも先程の価値観なんです(「良いもの」か否か? 「高い」か否か?、判断されるのは御覧になる方の価値観でもあります)。

一方、着物を着る側のBlogやHPでは、着物を見事に堪能しているんですね。
突然ですが、結城紬の逸話がありますね。結城は、着る者が地入れをする。
着物三代。孫の時代に着やすくなる。女中に着せて、洗張をしてから主人が着る。
これは、着ることを予定して、織物はつくられていると言うことを言っているんですが、これらの話をわざわざ逸話にしてきたのは、どこかに「買っても着ない文化」があったからなのかもしれません。
これは、本来結城紬のつくり手が何故「機」を堅くしたか?と言う智恵を無視している事なのかもしれません。

着物を堪能している方は、新しい「着物」「帯」を誂える毎に学習する筈です。これは、つくり手の気持ちや込められた英知を着る者が理解するのだと思います。
実際、着ることによって感じる「着物の悦び」は呉服屋さんの中だけで着物をみている人には得られないと思います。

着物の悦び
本場黄八丈:山下八百子
八丈織:菊池洋守

「着物を買う?/売る?」と言う価値観もNet事情は変えつつあると思います。

言うまでもなく、殆どの着物には参考価格と言うものがありません。
販売者が価格を決めるのです。「経営」と言う視点をお持ちの方は、お判りかと存じますが、仕入れ原価+販売に要するコストを勘案して価格を決めるわけです。ただ、仕入れ原価が、着物の場合、そのお店に辿り着くまで=流通経緯によって、これまた変わって行きます。

話が逸れました。。。要するに、着物の価格はとても不透明なものと言えるんです。この不透明感にも、Net事情は、買い手に光を与えてくれた様です。
また、呉服屋さんはHPやBlogを通じて「敷居の高さ」を自らの手で調整をすることが出来る様になったと思います。
お店の価値観=品揃え/販売価格などの情報を発信することが低コストで実現できるようになったんです。
販売者の価値観と購入者の価値観が一致する事が容易になってきたと思います。
ただ、これは購入者がお店を探すと言う意味で1対1の関係ですが、現在もなお、イベント系の販売方法も残っている様です。
私が思うには、Netで自分の着物価値観を満たしてくれる専門店を探すと言うことは簡単ではありますが、「自分の価値観」が定まっていなければ出来ない事でもあるんです。
実際、弊店に来店される方の何%かの方は「どこかで授業料」を払って来られたようです。「自分の好み」が判らないままに「つい、買ってしまった」と言う方です。「つい、買ってしまった」ことは、私は仕方がないことと思いますが、「好みでない」のはとても残念な事と思います。
お金だけではなくて「着物も着て貰えなくて可哀相」です。イベント系の販売は、雰囲気作りが巧みで、着物のイメージが出来やすい為、価値観をつくりやすいと言われます。その意味においては、「価値観」や「好み」を巧くつくることが出来ない方には、イベント系販売の悪くはないと思います。ただ、「授業料」しないことです。

また話が逸れました。。
着物を買ってみたり、着てみなければ、「好み」や「価値観」は固まらない訳で、固まらなければ「専門店の暖簾」は相変わらず重いままなのかもしれません。
しかし、着物愛好家のBlog/HPやサークル、コミュニティ、着物雑誌と言う20世紀にはなかったMediaやコミュニティに依って価値観をつくりやすい環境になって来ている様です。

かつては「着物のモデル」と言えば「芸能人」、着物雑誌は「冠婚葬祭着物」「お稽古の着物」の特集が主がしたが、現在は「TopFashonモデル」が、そのまま「着物のモデル」をしたり、着物愛好者が読者モデルとしてページを飾ったり、掲載される着物は「着物Lifeを楽しむべきアイテム」と、雑誌Mediaでは確実に価値観を変えています。
着物は、既に、形式/様式の道具に留まらず、LifeStyleのFashon/Cultureになっている様です。

Netが始まり、着物と着物を取り巻く環境は、確実に変わりました。
「着物」と検索すれば何万件。「芭蕉布」と検索すれば、それが何であるのか、どこで売られているのかが判ります。
不透明であった業界に、ある種の透明感が感じられる様になったのです。
でも、この「透明感」は見る者に依って透明度が異なるようです。
何を言いたいか? それはあまりに多くの情報が横溢している為、求める者の利益となる情報がどれなのか? また情報の信憑性を判断する責任は、見る者にあると言うことです。

これからも情報は増える一方でしょうね。
新しい価値観を持った専門店が出てきたり、人気着物Blogが脚光を浴びたりする事もあるかと思います。ひとの価値観は「留まる」ことはなく、変わって行くものだと思います。Net環境が「着物」にとって有益であり続ける事を祈っています。。。


追記
コラム掲載にて「Net」をテーマにしたのは、多分はじめてではないかと思います。
実は、あまり、PCの前に座っているのが好きではないので、2年ほど前までは、殆ど他のHPを見ることはありませんでした。
しかし、Blogが始まり「個人」の価値観が容易に表現/閲覧できる様になり、他のBlog/HPを「楽しむ」事は出来る様になりました。
翻って、私自身のHPが「どうなんでしょ?」なんて思うこともあります(以前は思ったこともありませんでした)。
これも「価値観」がしっかりした着物愛好者Blogが多くなって来たからなんでしょうね。

2007/03/** update
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着物の悦び
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