こちらに掲載をさせて頂いたのは、上質極まりない職人の手仕事にて誂えられた御所解文様の手描き友禅付下。
御所解の友禅..、特に珍しい文様ではありません。
古典文様の京友禅を想うと、その柄文様や色目については、どこかで眼にしたことのある柄文様だったり、色調であったりするかと思います。
それは、古典文様の友禅の構図や彩色には、何十年と受け継がれた色目や柄文様が定型となっている傾向にあるのです。古典文様と言う表現そのものも、受け継がれて来た色目/柄文様を、当たり前のように言い表しているに過ぎないのです。
とは言え..、古典文様の友禅であっても、何かが違う..、惹き付けられるものを感じられる時がある筈です。どこかで見掛けたことのある柄文様と色調かも知れないけれども、それ以外の何かが伝わってくるのを感じるときがあるのです。
それは、手掛けられた友禅の質感が、「何か」を感じさせているのです。
この友禅は..、下絵にはじまります。下絵一枚にも職人がいます。機械化、合理化とは無縁な下絵の職人が、染め屋の意向に基づいて下絵を描くのです。下絵ひとつにも手掛けた職人の神経と美意識が込められているのです。
青花で描き、真糊を置き、彩色を施す..、刺繍に金彩の仕事。この御所解の京友禅が染め上がるまで、幾人もの職人が、「これ以上綺麗な仕事はできない」と言う意識をもって手掛けているのです。友禅の色目ひとつ、刺繍ひとつ、金彩の輝きひとつ..、どれをみても綺麗な仕事が施されています。「よく似た色」「よく似た柄文様」にあっても、ひとの眼をより惹き付けることが出来るのです。
この御所解の京友禅には、豪華な柄文様が施されている訳ではありません。
しかし、品位を感じさせる柔らかな彩色と上質の刺繍、金彩加工によって、雅やかなはなやかさを想わせてくれます。施された彩色には、品位ある色気のようなものを感じさえてくれます。装飾美の一歩手前で控える艶やかさを想わせてくれます。
行き過ぎない美しさ。飽くことのない美意識を見事に保っているのです。この巧さはこの御所解文様の付下の魅力の源となっているのです。
TPOは、礼装の席でしたら、どんな席でもお召しになることが出来るかと思います。もちろん、茶席や宴のゲスト/ホストとされる場合もお召しなることが出来ます。
丁寧に手掛けられた友禅です。この友禅に施された加工の美しさ品位は失せることはありません。永くご愛用を頂けるお着物となるかと思います。
明るいPCモニターをご利用の方には、ご確認が難しいかも知れませんが、地色において、裾から上に掛けて僅かに「鶸色」暈かしが施され、全体の質感を高めています。 |