菊池洋守 制作:八丈織
小市松綾織(薄浅葱色)
染織家.菊池洋守制作の八丈織:市松綾織。
こちらの作品は、菊池洋守が手掛ける八丈織の中で、最も細密な綾織を駆使して制作されています。
この細密な綾織は、とても美しい色艶に満ちています。それは、艶感ある絹糸と細密な市松綾織を調和させることで、生地に映った光が滲み、煌めきとなってこの色艶を生み出しています。
また、この色艶は、いつも一様ではなくて、光の加減によって、その色艶、織の表情が移り変わります。朝の光、午後の光、そして、陰の中。色や織に「奥行き」があると言えば、それまでかもしれませんが、少し距離を置いて見てみると殆ど無地織でありながらも、この色艶や表情からは、確かに格別の存在感を予感させてくれます。
ただ、「綺麗」とか「美しい」に留まらない存在感がこの絹織物には感じられます。
無地織印象の絹織物でありながらも、やはり存在感を伝える帯地とあわせても、褪せてみえることはありません。むしろ、帯の存在感や雰囲気との調和が、「美」とか、「趣」とかと言った詠嘆的な空気をその装いに漂わせてくれる筈です。
凜とした清潔感と品位に包まれたお着物です。
色目はとてもデリケートな薄浅葱色です。
* | 着物と帯のあわせ.. |
・ | 勝山健史 制作:アーティチョーク九寸名古屋帯とあわせて見ました。 |
・ | 琉球紅型(藍)九寸名古屋帯(制作:玉那覇有公)とあわせてみました。 |
・ | 西陣織九寸名古屋帯(制作:洛風林)とあわせみました。 |
・ | 北村武資 制作:経錦袋帯とあわせてみました。 |