私の場合は勝手に想いを巡らしてしまいます..、<Art of Instrumentation>

The Art of Instrumentationここ数ヶ月、聴いているCDをご紹介します。

<Art of Instrumentation: Homage to Glenn Gould>
邦題:「器楽」の技法-グレン・グールドへのオマージュ

何やらタイトルからしてインテリジェンスなムード漂うCDですが..、ついつい理性が凍り付き、感情が流れ出すような音楽の世界が拡がります。

ヴァイオリニスト.Gidon Kremerと彼の主宰する弦楽合奏団"Kremerata Baltica"によるアルバム。
Bach弾きの巨匠ピアニスト.Glenn Gould没後30年を記念したオマージュ作品です。

ただ、Gidon Kremerは、Bachの「無伴奏ヴァイオリン集」を何枚も出している程ですから(こちらの独奏も凄いクオリティです!)、Bach弾きで誉れ高いGlenn Gouldをオマージュしての作品は、没後30年と言わずとも、必然として出された作品だと思います。

クラッシック音楽というジャンルを遙かに超えた..、素晴らしい現代音楽の世界を堪能できます。
ヴァイオリンってこんなにカッコ良く響くんだと想ってしまいます..。
単純な環境音楽とは全然違うし、NHKっぽい退屈なクラッシックでもありません。

CDのジャケットも現代アートっぽくって良い感じです(作品イメージが実に巧くデザインされてます)。

暗くもなく、明るくもない、ひたすらに美しい音楽..、耳に響かせていると様々なことを想い出すことが出来るかも知れません。

時々、聴きたくなることがあります..

roberta.jpg昨年のロンドンオリンピックの開幕式でポール・マッカートニーが"Hey Jude"を歌っていましたね。
あれから何となく"Hey Judeが聴きたいな"なんて悪戯程度に思っていました。

私のお好み的なお話なんですが..、私は、特に、ビートルズが好きな訳ではありません。
最初に聴いた洋楽のアルバムはビートルズの"Let it be"ではあったのですが...、いま所有しているCDの中にビートルズのアルバムがあったかどうかも記憶に不安な程度なのです。
しかし、ビートルズの楽曲には、時折、無性に聴きたくなる楽曲が私の中にあるようなのです。

ロンドンオリンピックのポール・マッカートニーが歌う"Hey Judeを聴いて..、と言うか観て以来、暇がある時には、頭の中で"Hey Jude..、Hey Jude..、Hey Jude.."。
至極軽い耳鳴りが続いているように...、"Hey Jude..、Hey Jude..、Hey Jude.."。

ビートルズの"Hey Jude"をそのまま聴いても何となく違うような気分..、耳鳴りが止まるような感じではなかったのです。

Amazonで"Hey Jude"のカヴァーを捜してみることにしました。
ポール・マッカートニーの歌声は嫌いでもないし、"Hey Jude"のイメージは彼の声が重なって印象に残っているのですが...、あえて、違う"Hey Jude"を捜してみたんです。

ロバータ・フラック(Roberta Flack)..、アメリカの女性シンガーソングライター。
彼女が昨年(2012年)に"Let it be"なるタイトルでビートルズのカヴァーアルバムを出していました。

"Hey Jude"は3曲目...、ロバータ・フラックは、Soul/Jazzを歌い上げるシンガーです。
ロバータ・フラックのアルバム"Let it be"は、どれもロバータ・フラックの"歌"であるかのようなまでに、歌い込まれていて...、彼女の歌う"Hey Jude"も、そもそも、Soul musicだったの?と言うくらいの濃い雰囲気が漂っているような感じなのです。

実は、私は女性ヴォーカルの声があまり得手ではないのです...、また、特にSoulfulな"Hey Jude"を求めていた訳ではないのですが...、耳鳴りのように響いていた"Hey Jude"は、もう響かなくなりました。

My Favorite Things...、JazzPiano/Michel Petrucciani

Petruccianiちょっとお着物のお話から離れて、久しぶりに音楽の話題をほんの少しだけ...

ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)の"Oracle's Destiny"。

ミシェル・ペトルチアーニは、イタリア系フランス人のジャズピアニスト。
フランス人で最も成功したジャズミュージシャンと言われています。
古い人ではありません。
1962年12月28日生/1999年1月6日没。
先天性疾患による障害に苦しみながら多くの作品と名演奏を残した夭折のジャズピアニスト。

このアルバムは、Parisを離れN.Y.に渡る少し前に、Parisで録音されたソロピアノ作品です。どこかクラッシックロマン派音楽の影を感じさせるペトルチアーニのジャズピアノは、幻想なベールに覆われたような響きとどこか都会的な空気を伝えてくれます。

この"Oracle's Destiny"ですが、秋に聞くと良いかも知れません。

アルバムジャケットのデザインもお気に入りです。



おまけ/ペトルチアーニについてWikiより...

"ペトルチアーニは、若い頃から体質上「寿命は20歳程度まで」と言われていた身だった。実際にはそれよりはるかに寿命を長らえて活躍したが、ツアー先のニューヨークで急性肺炎を起こして死去した時は、36歳の誕生日から10日足らずであった。彼の遺体はパリのペール・ラシェーズ墓地内、フレデリック・ショパンの墓からほど近い場所に葬られた。"

"1994年、レジョン・ドヌール勲章を受章、2002年6月にはパリ18区の広場が「ミシェル・ペトルチアーニ広場」と命名された。"