世界で一番美しい...、花粉の図鑑を買ってしまいました

トケイソウって花の花粉だそうです。本屋さんに行くと特に目的がある訳ではないのですが...、何かをさがすみたいに、無意識に様々な本を眺めては、適当に時間を潰しています。 
図書館とは違って、本屋さんは、本を販売すると言う目的の下に本が並べられているので、本が魅力的に迫ってくる時があります。

こちらに掲載をさせて頂いた本は図鑑なんですが...、図鑑とタイトルが付いた本なんて、もしかすると初めての買い物かもしれません。

そもそも、最初に本屋さんで見掛けたのは「世界で一番美しい果実図鑑」って図鑑だったんです。
まず、この図鑑がやたらと綺麗で、その上、デザインも図鑑らしくないくらい行き届いている。
しばらく本屋さんで、この図鑑をみているうちに、この「世界で一番美しい****図鑑」の中に<花粉>の図鑑があることが分かったんですね。
でも、「世界で一番美しい花粉図鑑」は、その本屋さんにはなかったんです。


Amazonで調べると、Amazonには当然のようにあります。

いらないものを買ってしまうのは悪い癖です。

子供の頃は、図鑑を買うということは全くの想定外で、本と言えば漫画にしか目がなかったんですね。

<図鑑>に惹かれたんじゃなくって、<世界で一番美しい>って殺し文句と<花粉>って言葉に惹かれたんです。

<花粉>に付いて知っていることは殆どないけれど、ただ、言葉の響きとしては悪くないし、何時か何処かでお話のネタになるかもしれない程度の関心はありました。

もちろん、<花粉>に詳しい知識があったとしても、何かが変わる訳ではない...、、もしかしたら、眺め読んだその数秒後に忘れてしまうかもしれない...、暇な時の好奇心を埋めるただそれだけで終わってしまうことも分かっていたんですけれども....

図鑑を買っちゃうなんて珍しいこともあるものですこの「世界で一番美しい花粉図鑑」と言う本なんですが...、インチキっぽい図鑑なんかじゃなくって、英国王立植物園花粉学部門長とロンドン芸術大学の教授(視覚芸術化家なんて肩書きが付いていました)が著作者としてなっているちゃんとしている図鑑なのです。

要するに、植物学から<花粉>を学術的に解説を展開し、その<花粉>の図解/写真、そして、想定や編集に至る書籍そのものを視覚芸術と言う視点で構成しているんです。

この図鑑を読んでみると<花粉>って言うものが、少しだけわかってような気がするんですね。
そして、この図鑑がつくられた経緯もどうやら関わっている。

それまで<花粉>と聞けば、誰もが知っている程度の知識で満足をしていたんですが、この<図鑑>を読んでみると...、眺めてみると、<花粉>がどれだけ綺麗かを知ることが出来る。
"かたち"も綺麗なら、"色も綺麗"なんです。

<花粉>の知識よりも、この"かたち"や"色"から<花粉>に関心や好奇心が生まれることは、珍しいことではないお話ではないんですね。

そして、こんな下りがあります..

<走査顕微鏡とデジタルカメラの力で生み出された植物の細部の写真は、植物の描写と説明と言う共通の目的へ向かって植物学者と芸術家がパートナーを組んで積み重ねてきた共同作業伝統を、さらに発展させています。
デジタルの世界は、芸術と科学の共同イニシアティブを育てる豊かな土壌を提供してくれます。>

花粉? それとも惑星?また、19世紀には、既に花粉に対する専門的・集中的な研究との基礎が出来ると同時に<植物の顕微鏡的構造を見せる美術>なる分野が展開していた....、そうです。

つまり、<花粉>の視覚的な美しさと言うものは、植物学の発展に寄与しているとも言えるようなんです。

私も本屋さんで、たまたま見掛けた「世界で一番美しい果実図鑑」の<デザインの綺麗さ>に惹かれ、「花粉図鑑」を買ってしまったんですが...、私の場合は、到底、アカデミックな知識を得ることは出来ません。適当に、図鑑を捲って<花粉>の綺麗さを眺めるだけで、難しいことは忘れてしまいます。

何となく記憶に残るのは、せいぜい、視覚的な<花粉>の美しさだけでしょうか....、それにしても<綺麗な本>なんですよ。

お店の飾り本棚にでも置いて置こうかと思っています。

「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」..、I Remember Bernini ?

マルトヤイタリア.バロック美術を代表する彫刻家"Bernini/ベルニーニ"の洋書を買ってみました。

このBlogでは、時折、「美術館に行って参りました」なる記事を掲載させて頂いているのですが、実は、個人的に美術芸術に強い関心とか深い知識を有している訳ではありません。
時間があって、何となく惹かれる企画展覧会があれば、出掛けると言う程度の興味関心なんです。時々、映画館に行くみたいな感じです。

美術/芸術に関する洋書を購入するのは、久しぶりです。
購入のきっかけは、昨年12月に、偶然、Berniniの作品についてのTV番組をみたんです。
そもそも、Berniniなる彫刻家の存在すら知らなかったのですが、この企画紹介されていたBerniniの作品/"アポロとダフネ"に強烈に惹かれたんです。

彫刻には、"まったく"、関心も興味も造詣も知識もありません。

でも、Berniniの作品/"アポロとダフネ"には心が揺れました。

揺れた所以は、Berniniの超絶的な彫刻技術と天才的な芸術性だけではありません。こうした類の評価をされているからと言って、個人的な関心や心が揺れるかどうかは別のお話です。
反対に、心揺れたあと、そうした類の評価をされている彫刻家であると聞くと"やっぱりな感"を感じてしまう。
そんなものだと思います。

こちらに掲載をさせて頂いた写真は購入した洋書の裏表紙です。"アポロとダフネ"の上半身部分の写真です。

男性(アポロ)が女性(ダフネ)を追い掛けている瞬間的な情景を作品としたものです。
そもそも"アポロとダフネ"はギリシャ神話の有名な寓話のひとつのようです。

お話は...、
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ある日、神アポロは「愛の女神の息子エロス"キューピッド"が弓矢で遊んでいるのを見て、子供がそんなものをおもちゃにしてはいけない」と笑いからかいました。

エロス"キューピッド"は、その言葉に怒って、アポロの心臓には"ひとを恋い焦がれる恋慕の矢"金の矢を、河の神の娘ダフネの心臓には"ひとをひたすらに嫌いになる"鉛の矢を放ったのです。

その時から、アポロは執拗なまでにダフネを恋い慕い、ダフネは必死にアポロから逃げ回る...。

そして、ダフネは河の神である父のいる河の近くに辿り着き...、アポロの求愛から逃れるために、父である河の神に自らの姿を変える事を強く望んだのです。

「どうか、私の姿を変えて下さい!」

追いついたアポロが、ダフネに触れようとしたその瞬間、ダフネの手は木の枝に変わり、指先からは細長い葉が出てきたのです。

河の神である父は、娘ダフネの願いを聞き届けたのです。

ダフネは、アポロの眼の前で、月桂樹に変わってしまったのです。

失意のアポロは「せめて私の聖樹になって欲しい」と頼むと、ダプネは枝を揺らして月桂樹の葉をアポロの頭に落としました。
以来、アポロはダフネへの愛の証として月桂樹の枝から冠(月桂冠)をつくり、永遠に身に着けることになったのです。

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世界の始まりを物語っているギリシャ神話...、神様のお話とは思えないような寓話ですね。
このお話だけでも、結構、揺れてしまいます。

Berniniの"アポロとダフネ"は、この寓話を"そのまま"彫刻とした作品なのです。

掲載させて頂いた写真は、まさにアポロがダフネに触れ、ダフネが月桂樹に..、その姿を変えて行く、その瞬間です。

心揺れたのは、Berniniの"アポロとダフネ"のドラマスティックな美しさ...、まるで、数千年前に実際にいた"アポロとダフネ"がつくる寓話そのままを、神によって大理石とさせられたかようなのふたりの姿なのです。

神のなす業をBerniniがなしている...、そんな奇跡的な作品に、彫刻などにまったく関心がなかった私の心が揺れてしまったのです。

Berniniの"アポロとダフネ"は、ローマのボルゲーゼ美術館にあるそうです。
もちろん、しばらくの間、ローマまで行くことは出来ません。ですから、劇的なるBernini作品の写真が掲載されている美術書を捜したと言うわけなのです。

さて、購入した本なんですが..、Amazonで捜してみるとBerniniの本は和書/洋書と、数冊出ています。英語版洋書は読むのに挫折するのは見えているし、そもそも評論よりも、Bernini作品がドラマスティックに撮されているものを捜したんですが、結局、Amazonで捜す訳ですから、表紙のデザインと、他のネット情報を頼りに、こちらの本を購入するに至りました。

なかなか"今っぽい表紙デザイン"です。

しかし、掲載されている写真は、著名なフォトグラファーが撮り下ろしをしている訳でもなく、また、どうやら過去の資料的に撮られていた写真をも交ぜているようで...、いまいち感に止まりました。

TVで揺れた感動を、書籍などに追っかけるとロクなことがないので、もう捜す予定はありません。

それにしても、やっぱり、ローマに行って生Berniniをみて、心揺らしたいですね。
「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」とまで賞賛されたそうです。

購入した本をみていても、Berniniの作品は、ローマの街の中にもあるようです。
どうやらスペイン広場の近くにも"噴水"としてあるみたいです。

数十年前に、彫刻と彫刻みたいな建物ばかりのローマの街を10日近く掛けて歩き回ったことがあるのですが...、ただ、みて来た、行って来たと言うだけで、感動のひとつも憶えていません。

その頃の私は、10日近くもローマで何をしていたんでしょうね? 
"いまいち感"を感じながら、その頃のことを想い出してみることにします。

I Remember Bernini ?

Fashion face up

fashionまた、気の迷いと言うものでしょうか...、こんな本を買ってしまいました。

真夜中にネットサーフィンをしていると、ついつい関心あるサイトを何度もみてしまいます。

この本は、世界的に著名なFashion系の写真家の作品が納められた写真集です。

160ページにも及ぶ、大きな書籍で、掲載されている写真のどれも..、とても格好良くて、魅力的な写真ばかりです。

言うなれば、映画のワンシーンをカットしたような...、そんな印象の写真です。
ページを捲るだけでも、写真の魅力を感じることが出来るのですが、時間を掛けて眼にしていると、その写真から物語のようなイメージが感じられて来ます。

こうしたFashion Photographは、Fashionイメージ、ブランドイメージを創り上げるための写真ですから、こうした物語性はあってしるべきかもしれませんが...、

この類の写真は、写真家の能力だけではなくて、被写体となるモデルや美術撮影スタッフ、メイクやスタイリストと言った人たちの能力やセンスが、反映されいるのです。

最先端のFashionセンスと最高の才能が惜しみなく費やされている...、そんな感じです。



danceさて..、写真集の表紙だけではつまらないと思いますので、私的に感じた写真を一枚掲載します。


この写真集ですが、著名な写真家の単純なオムニバス作品集ではなくて、癌患者とその家族に対する寄付行為として出版されたものとのことです。

Fashion Inspiration

先日、amazon.co.jpで購入したお気に入りの本をご紹介します。

"ファッション・インスピレーション/Fashion Inspiration"
エリザベス・ウォーカー(著)
グラフィック社(刊)

どんな本なのかと言うと..、要するにポートレイト写真集です。
ただ、その内容がちょっと凄まじいんです。

テンガロンハットを被った若き日のポールニューマン、レザージャケットのジョージマイケル、煌びやかなドレスのマリリンモンロー...、着物姿でボーリングをする京都の芸者、ロイドメガネの藤田嗣治、パイプをくわえて日光浴をするウィリアムフォークナー(米国の小説家です/もちろん名前だけで読んだことなんてありません)...、若き日のオードリーヘップバーンやブリジットバルドー...、とどめは、1955年に日本の何処かの街角(交差点)で撮られた着物姿の女工さん(何故って感じですが、妙に違和感がないのも面白いんです)...。

アメリカ/ヨーロッパのファッションモデル、俳優、ミュージシャン、文化人、そして普通の人々(?)..、写真が記録した"ある時代"の"ある国"の"人々"が掲載されています。

誰もが着飾り、誰もが気取っています。

この写真に映っている人は、有名人/セレブであれ、ごく普通の人であれ..、時代を経ても、やたら"カッコいい"んです。

Fashionと言うもの"時代"や"文化"や"その人"の美意識が昇華されたものなのだと教えてくれそうな写真ばかりです。
掲載されている写真は470枚以上...、本そのものも分厚いんです。

title.jpg表紙の女性は...、英国のファッションモデルさんとの事です。

着ているスーツは、そこそこ時代を感じさせるものかもしれませんが..、撮影した写真家のセンスが良いのか、それともモデルさんの雰囲気なのか..、なんとなくIntelligenceなCultureを感じさせてくれます。


















"おまけ"として..、掲載されたポートレイトをちょっとだけご紹介します。

Charlotte.jpg英国の女優、歌手のシャーロットランプリング。

イタリア映画「愛の嵐」はランプリングの代表作。


この本のキャプションではメンズジャケットを着ていると記載されています。

ランプリングが着ているメンズジャケットも良いかもしれませんが、ランプリングがつくっている"Style"が、ポートレイトとして絶妙なバランスを保っている様に思います。

帽子とランプリングの顔の大きさのコントラスト、ランプリングの腕と足のコントラスト..、このポートレイトは、わざわざ演出したのではなくて、どうやら彼女が出ている映画の撮影の合間に撮られたもののようです。













Gere.jpg若き日のリチャードギアです。

1980年代初め「愛と青春の旅だち」と言うラブストーリを描いた映画がありましたね。主題歌も爆発的にヒットしました。

1990年代には「プリティ・ウーマン」。
こちらもラブストーリを描いた映画でした。

どちらもシンデレラストーリーでリチャードギアって嫌味なくらいカッコいいななんて思っていました。

リチャードギアと言えば、もうひとつ。

ラブストーリではないのですが、「アメリカン・ジゴロ」と言う映画が「愛と青春の旅だち」の少し前にありました。

「ビバリーヒルズの金持ち婦人を相手に稼ぎまくるジゴロ」と言う悪い男を演じているのですが、実は、とてもFashionableな映画でした。

映画はリチャードギアが演じる主人公がBenzのオープンカーに乗ってビバリーヒルズのGiorgio Armaniに入って行くシーンから始まるんです。


想えば..、当時の欧米+日本が、当たり前の様に華やいでいた時代だったんですね。

この写真集を捲っていると、映画やFashionが、時代を確実に写して取っていることを教えてくれるようです。

"ファッション・インスピレーション/Fashion Inspiration"
映画やFashion、音楽、カルチャーに関心のある方には、ちょっと面白い写真本かもしれません。