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新垣幸子作品/天然植物の気配...、板花織九寸名古屋帯.

新垣幸子 八重山上布 茜と板花絣新垣幸子氏の染織作品のご紹介です。

板花織が施された九寸名古屋帯。
茜.福木.楊桃(やまもも).琉球藍にて糸染めがなされています。

この帯地=苧麻織物ですが、とても甘く、柔らかな彩色と質感が伝わって来ます。

「八重山上布」と言う認識の前に、まずはこの彩色と透き通る様な質感に圧倒されるかと思います。

ただ、ピンク色の彩色印象で織り上げられたこの苧麻の織物なんですが..、しばらく眺めていて..、また、少し触れたりしていると..、この苧麻の質感と彩色の質感が相俟って、まるでこの織物そのものがひとつの植物の様な錯覚を憶えるんです。

そもそも、八重山上布は苧麻糸の織物です。

植物系の糸で織られた織物であって、その上、その植物系の糸を植物染料で染める。木綿の様な太い糸ではなくて、髪の如き細さの糸です。この苧麻織の質感と彩色の質感から、その素材である植物の面影が伝わってくるのです。

こちらでご紹介をさせて頂いている苧麻織物は「彩色」の美しさ...、八重山上布と言う織物で表現が出来る「色そのもの」をテーマとしたものかもしれません。
繊細で、綺麗な板花織が施されていますが、これは帯地としての...、八重山特有の織物としての制作者の計らいなのだと思います。

テーマは、ピンクの彩色印象を保った苧麻織物なのだと思います。

織物である以上、人為的な色である筈です。
でも、その色の質感は見れば見るほどに、人為的な気配が失せて行くのです。

感じられる..、伝わってくるのは植物の色印象とその気配なのです。
そして、自然の彩色を活かし、自然の彩色を美しく表現するあまり..、そもそもの植物の質感までをも甦らせたのかもしれません。

新垣幸子氏が手掛ける作品の奥深さを垣間見ることが出来ます。

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