<山本由季:薄絹.染め九寸名古屋帯>

山本由季 染め帯


●染色家.山本由季制作の染め帯です。
単衣/夏季のお着物にお使い頂くために、薄絹(紬地)に染められています。


季節の図案が染められている訳はありませんが、夏季を想わせる雰囲気が作品を通じて表現されている様に感じられます。
温もりを伴った微風の中を舞っている花の図案は、帯の図案と言うよりも制作者.山本由季の心象風景がデフォルメされた一枚の絵画の様な印象を想わせます。

染色家.山本由季の美的な世界感が投影された薄絹に染められた染め帯です。


http://www.kimono-shop.co.jp/item+71777/skgso92153/index.html


山本由季 染め帯

<喜如嘉の芭蕉布.八寸名古屋帯//花織と捩り入.福木>

喜如嘉の芭蕉布.八寸名古屋帯


●喜如嘉の芭蕉布八寸名古屋帯。
福木で染められ、花織と捩り織が施されたこの作品には、何かを飾るための美しさが伝わって来ます。芭蕉布特有の野趣な空気が感じられません。
芭蕉布の歴史を振り返ると、芭蕉布は「野趣の衣」だけはなくて、王族や貴族の衣裳のひとつでもあったのです。
特に、福木で染められた黄色は、王族だけが纏うことの許された"色"...、この芭蕉布が、絣ではなくて花織と捩り織によって"飾られて"いるのは、"特別な芭蕉布"を意識して制作されているのかもしれません。


http://www.kimono-shop.co.jp//item+77191/rkgo39503/index.html

福木 捩り入 花織 八寸名古屋帯

<洛風林:百合文.九寸名古屋帯>

洛風林 百合文



●帯地工芸.洛風林が制作した九寸名古屋帯。
"百合の花"をテーマとした帯地です。
伝統的な西陣織にはない創造性に満ちたデザインが印象的ですね。
このデザインなんですが、よくみると同じ図案が繰り返し織り出されているだけなんですね。図案化された"百合の花"が単純に積み並べられている。
単純に..、と言っても、そもそも、"百合の花"のデザインはアールデコ調を想わせるし、その"百合の花"を単純に横に積み並べたデザインにも独創性が感じられます。
色数も控えることで全体の色相も落ち着いて感じられます。
デザイン性に満ちているだけではなくて、お着物を飾ると言うコンセプトも忘れてはいません。
洛風林らしい<実用の美>を想わせる帯地です。



http://www.kimono-shop.co.jp/item+73009/nwk61987/index.html

洛風林 百合文 名古屋帯 

<勝山健史制作 九寸名古屋帯.三ッ横見菊文様>

勝山健史 三ッ横見菊名古屋帯

●勝山健史制作 九寸名古屋帯.三ッ横見菊文様

"三ッ横見菊"は、勝山健史の創作デザインではなくて、旧宮家の家紋としてデザインされた文様です。
純日本的、そして、高潔で凜とした感じを伝えるのは宮家の家紋ならではの空気感かもしれません。

けれども、この作品は、そうした空気感だけではなくて、現代的な気配をも感じられるのす。ほぼ完成されたデザインにも、この作品ならではの美的な感性があるのです。
これはこの作品そのものをつくっている素材(絹)の存在感と、織り出された文様と色相のバランス感覚...、作品制作に対する美的な感性なのかもしれせん。
古から伝承された文様を単純に写すのではなくて、完成されたデザイン(文様)に更に磨きを掛けるかの様に制作されてたのだと思います。
だから、古さなど微塵も感じられない..、そして、純日本的な美しさに満ちた西陣織帯地作品です。


http://www.kimono-shop.co.jp/item+71777/kgo99607/


三ッ横見菊文様

<"夏季のお着物と帯"の展示会のご案内>

中村澄子 八重山上布 芭蕉布 紋紗小紋


<夏季のお着物と帯"の展示会のご案内>

この展示会は終了致しました。

日時:2017年5月25日(木)から29日(月)まで
*28日日曜日はお休みを頂きます。

夏のお着物と帯を展示致します。

出品予定のお着物と帯
  • 絽/紗のお着物、絽/紗のお着物
  • 夏の絹織物
  • 麻織物と上布(八重山上布/越後上布)
  • 夏帯(薄絹染め帯/上布帯
  • 染織作家作品(勝山健史/新里玲子/北村武資など)
  • 竺仙/有松絞り
竺仙絹紅梅と博多献上帯 顕紋紗帯宮古上布 新里玲子

暫くの間、さぼっていたら....、

今年の垂れ桜Blogの更新をさぼり続けていたら、街角の枝垂れ桜が満開の季節になりました。
今年も街行く人の目を楽しませてくれています。

品川恭子氏の染色作品/芙蓉の花..、絽紬.染め九寸名古屋帯

品川恭子 芙蓉品川恭子の作品に触れていると、何となく、着物とか、帯とかへの意識が薄い様に感じられる時があります。
飾っていない感じなんです。

写実的な柄模様が染め描かれていても、どこか詠嘆的な感じある..、この作品で喩えるなら、花の「表情」のようなものかもしれません。

二輪の芙蓉..、同じように映っていても、何となく"違う"と言う感じを憶えるんですね。
情緒めいた妙な空気を、それぞれがもっている...、観ていると、徒な想いのようなものが浮かんで来そうな予感がします。

絽紬の染められた<芙蓉の花>

燕子花が実にお見事でした..

2015.05.06 根津美術館の燕子花この連休中、出張で東京に出掛けた折り、根津美術館にも立ち寄りました。

<尾形光琳300年忌記念特別展...、燕子花と紅白梅>
国宝の"燕子花図屏風"と"紅白梅図屏風"が並んで、展示されているんですね。
圧巻です。

この根津美術館のお庭にも、リアルな燕子花が満開状態でした。

午前中に出掛けたので、陽光がためなのか、とても瑞々しい色の燕子花をみることが出来ました。

こちらにも画像を掲載しています。

今年も桜の季節になりました

垂れ桜お店の近くの垂れ桜が、ほぼ満開..、毎年、一足早く、楽しませてくれます。

高層ビルの多い街の中でも、大きな交差点の角に植えてあるため、窮屈な感じもなく見事に咲いています。

控えめだけれど、優雅な空気が漂って来ます..、切箔.霞み模様の付下と有職文様の袋帯

blog_+00.jpg"きもののあわせ"...、今回は、金彩加工が施された霞みを景色とした付下の着物と有職文様の袋帯との"あわせ"についてお話をしたいと思います。

まずは付下..、付下と言っても、柄模様が、少々控え気味とも感じられる友禅が施されているだけの付下。
僅かに、所々、金彩加工が施された"霞み"が、この着物の景色をつくっているだけ...、"ただそれだけ"の柄模様なんですが、十分過ぎるほどの印象を憶えると思います。

地色をつくっている彩色は、極めてデリケート..、ほんの僅かに艶やかであり、そして、落ち着き払っています。色が淡いようであり、かつ、深いんです。
そして、景色をつくっている霞は、単純でありながらも、やはり奥行きを想わせるんですね。金彩と、染め暈かしをずらすことで、霞みに影のような効果をつくっているんです。
どこにである単純な下絵であっても、腕の良い職人が手を掛けることで、柔らかな緊張感のある着物になるんです。

控えめな印象をConceptとしても..、着物の意識は"気品"に満ちていて、知的であり、美しくなくていけない..、そんな意識を暗示するような空気感をもっています。


実際、"きちんと"しなくていけない席..、染めの着物で"綺麗"に決めなくてはならない席での装いを想定すると、やっぱり"付下格"や"一つ紋の無地着物"などのお着物を求められる場合があるかと思います。

絢爛な感じの友禅や無地の着物では、"無難"にこなすことが出来るんですが、着物を楽しむにはちょっと教科書的でつまらないかもしれない。
着物と帯を"あわせるセンス"を働かせてみたり、染織に対する審美眼みたいなものから選んでみると..、ちょっと控えた感覚ながらも上質感を香らせる友禅の付下などをお召しになるのも..、結構、楽しめる装いだと思います。

この付下に"あわせて"みたのは、喜多川俵二制作の有職文様が織り出された袋帯...、二倍織物.竜胆丸文様との銘が付けられている西陣織の袋帯です。

この有職文様..、きっと誰に訊いても「礼装を感じさせる帯」と答えるかと思います。

しかし、この竜胆丸文様なんですが、通常、西陣織で「礼装用の帯」とされる帯に比べると、何となく礼装感覚が希薄に感じられるかもしれない..、豪華絢爛たる存在感がある訳でないし、張り詰めた緊張感という空気感が伝わって来る訳ではありません。

霞み暈かし/切箔.付下+竜胆丸文.袋帯この竜胆丸文様なんですが..、"竜胆丸文"そのものの"かたち"は完璧なほど綺麗な"かたち"をしているし、その背景に織り出されている"亀甲花菱"の"かたち"も、また整い揃った"かたち"をしている。
橙色、紫色、緑色..、この主に三つに配された色のバランスにも、何かが特に目立っている訳ではありません。

この竜胆丸文様に施された意匠..、計算され尽くしたかのような図形文様と図案の見事なる組み合わせには、何ひとつ狂いや違いがない。

文様、または、紋章のデザインとして間違いないくらい整っていて、完璧なんですね。そして、和を意識させる品位と"雅"な空気を伝えている。
こうした品位や空気は、礼装感覚だけを追っかけている織物には感じられない..、有職文様に対する歴史とか教養のようなものが重ねられることで、生まれるものだと思います。

切箔.霞み模様の付下と竜胆丸文様の"あわせ"ですが、きものと帯、双方に、和服への美意識とか、知的な感性と言ったメンタルな美しさが感じられる"きものと帯のあわせ"なのです。