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そろそろ..、春の気分 || 季節の染帯

春の花籠春の草花を主題とした「花籠」の染め帯を誂えてみました。

彩色を控えながらも、やたらと存在感があります。

賑やかな彩色を施して、彩色のコントラストを高めると「見た眼」にあざやかっぽくて、分かりやすい印象となるのですが...、暫く眼にしていると"飽き"が来やすい傾向にあります。

彩色を控えて、友禅だけで「画」を染め描くのは、何より上手でなくては出来ない仕事。
花びらあたりに...、ちょっとだけ彩色を施し、色付け程度に刺繍を入れる。それで「画」としてまとめ上げている。"もの足らない"なんて感じはなくって、実に綺麗に整い揃えられています。

"存在感"があると言っても、何もあえて難しいことをしている訳ではありません。衒いや作為なく、綺麗な仕事、丁寧な仕事を、いとも単純に重ねているだけのことです。

「花籠」は友禅では珍しい図案ではありません。
何処にでもある図案であって、やはり、それなりに季節を表現しているかもしれません。

でも、この「花籠」はちょっと違うようなのです。
この「花籠」が伝える「季節の空気感」は、単純に高貴で、そして、麗しい...。

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この「花籠」ですが、およそ7-8年前にも誂えたんです。
以前の「画」は「秋の花籠」だったんですが、今回は「春の花籠」。
下絵は、その時と違う職人でしたが、染色を手掛けた職人は以前と同じ職人にお願いしました。
すると、ちゃんと憶えているんですね。
以前の「花籠」は、"あそこにはこんな加工"、そして"ここにはこんな加工"と...、どんな加工を施してたかを語っていたそうです。

自分が手掛けた仕事をちゃんと憶えていると言うのは、真摯な仕事をしているならば、至極当たり前かもしれませんが、やっぱり、単純に良いお話かと思いますね。

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