城間栄順 制作
琉球本紅型.九寸名古屋帯
『サバニ』
琉球本紅型は、琉球染織の中で唯一となる"染め"の染色品となります。
ご存じの通り、この琉球本紅型のその歴史は、古く..、現存している国宝指定の古代琉球紅型で250年から300年ほど前に制作されているようです。
色彩は、南国を想わせるあざやかさをもった色彩感覚で彩られています。この色彩を眼にするだけでも、琉球染織の特徴性を憶えるかと思います。
色鮮やかで..、大胆な構図..、京友禅をはじめとした他の染色にはない装飾美意識に満ちた染色なんだと思います。
しかし、この独特の色彩感覚と大胆な構図を特徴とした<古代琉球本紅型>に染め描かれているもの...、その図案は、何故か、「日本的なデザイン図案」が多いんですね。国宝指定された作品の殆どは、日本文化の中で育まれてきたデザイン図案なんですね。
菊、藤、桜、葵、菖蒲と言った植物、青海波や宝尽くし...、これらは、古代琉球紅型の作品では珍しい柄模様ではないんですね。国宝指定の作品には「桔梗色地紗綾形に桜楓檜扇団扇模様」なんて銘がつけられたものがある..、この銘だけを見たり聞いたりするだけでは、琉球本型に想い至ることはないと思います。殆ど、江戸時代か明治時代の大仰な小袖か能装束の唐織衣裳を想うような銘かと思います。
本紅型は、琉球王国の中でも地位や官位の高い人たちの特別な衣裳とのことです。もちろん、ここに琉球王国特有の色彩感覚やデザイン図案があるべきかと思います。
一方で、琉球王国は、薩摩藩の支配下にあった歴史があるんですね。
王族、貴族をはじめとした、地位のあった人たちの特別な衣裳だからこそ、固有の風土を想わせるデザイン図案を、あえて用いなかったのかもしれません。最先端の流行文化スタイル..、<都>や<江戸>の公家、大名などが愛好したデザイン図案を好んだのではないかと思います。
学術的な解説ではどなのかは分かりませんが、実際、古代琉球紅型と呼ばれる100年以上前の紅型をみると、日本的なるデザインの多さに気が付く筈です。
こちらに掲載をさせて頂いた作品の制作者は、城間栄順..、琉球本紅型の宗家とされる家系の直系にあたる染色家です。
この城間栄順氏の作品なんですが、もちろん、古代琉球紅型の復元作品をも制作されている。琉球王家の衣裳は、この城間家が制作を手掛けていたから、当然のことなんですね。
ただ、一方で、栄順氏固有のデザイン図案と言うものがある...、これが、琉球の自然や風俗を伝え表しているんです。沖縄の海があり、沖縄の植物があり、沖縄の魚や貝があり、沖縄の風土を描く..、紅型特有の色彩感覚に加えて、沖縄そのものを想わせる特有のデザイン図案を興している。
こうした沖縄印象付ける作品を眼にしていると、沖縄の自然や固有のカルチャーを作品を通じて伝え残すかのように思わて来るんです。
こちらに掲載をさせて頂いた作品は、"サバニ"と呼ばれる沖縄特有の漁船が染め描かれています。
"サバニ"は、とても小さな漁船です。櫂と帆だけ..、僅かな人力と風力だけで海を渡り、漁をすることで生活の糧とした漁民をシンボリックに描いたデザイン図案なんだと思います。
サバニの間には、貝と波が描かれています。
白色の生地に、藍と墨色、たった二色の彩色で染め描かれたこの作品からは、沖縄の海と共に暮らす民の穏やかな空気感が伝わってくるかの様です。
サバニ..、そして、その間に挿し込まれた貝と波の間隔は、規則的なようでもあり、何かがその規則の間に挟まっているかのようでもある..、特別な、調べのようなものが染め描き込まれているのかもしれません。
沖縄特有の漁船"サバニ"が染め描かれた城間栄順の琉球本紅型の染め帯です。
白色の紬地に染められています。
紅型の顔料が、白い生地に映えることで、沖縄の白砂..、沖縄の海を想い伝わって来るようです。
袷からお単衣の時季までお使い頂けます。
* | 琉球本紅型九寸名古屋帯との着物あわせ.. |
・ | 本場大島紬(藍)のお着物とあわせてみました。 |
・ | 南風原琉球かすりのお着物とあわせみました。 |
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