草木染め手織紬
使用染料：桜 梅 くま柳

この紬の色は、花の彩りのイメージと重なります。柔らかく温かみある彩りは、光の加減でその表情が移り変わります。派手さはなく、鮮やかさもないけれども、色が輝いているような印象が伝って来ます。
この草木染め紬に使われている桜、梅、くま柳は、よく似た色を出していますが、それぞれの草木染めの色を織り交ぜることで、この織物の個性が表現されています。

この織物を制作したのは機屋ではありません。
植物を自然採取するところから、織物制作に関わる何もかもひとりで賄っている織人が手掛けています。草木染めをする際にも、その植物を採取した時のことを憶えていることがあるため、草木の時季や状態を想いながら色を出して行くことが出来るそうです。
草木染めならでは幾つもの色彩が、織り混ざり、繋がりながら、自然の色彩の景色が表現されています。無地織にはない草木染めの彩りの豊かさと制作者の感性が魅力的な手織紬です。