江戸小紋 毛万筋「竹縞」
伊勢型紙縞彫:児玉博
染め師:浅野栄一
伊勢型紙「縞彫り」の技能にて人間国宝/重要無形文化財技術保持者となった児玉博(故人)。こちらに掲載をさせて頂いているのは、その児玉博が手掛けた「竹縞」の伊勢型紙を使い染められた江戸小紋です。染色は、児玉博が存命の間より共に縞の江戸小紋の制作をを手掛けて来た染色職人「浅野栄一」。
児玉博の手掛けたこの「竹縞」の伊勢型紙は、極めて高い技術でつくられています。当たり前の様に、細く、そして、綺麗に映る「竹縞」は、江戸小紋の中でも、「毛万筋」と言われる極細の「縞」に相当します。一寸の間に19本の縞が彫られています。
江戸小紋は「伊勢型紙」を使って糊を置き、染色を施すことで制作されます。
何枚も型紙を染め重ねる訳ではなく、たった一枚の伊勢型紙だけで柄模様が表現されます。伊勢型紙に彫られた柄模様が細かくなればなる程、その糊置きは困難を極めます。特に、「縞」の染めは、他の文様にはない技術を要する為に、「他の柄模様は、型をおけるけれども縞は出来ない」と言われる事も少なくありません。
"縞"は極々単純な柄模様です。線の集まりでしかなく、何かを表現している訳ではありません。けれども、極上の「縞」は、見ていると飽きが来ません。単調さも一切伝わって来ないのです。「生の伊勢型紙」と「手」で付けられる「縞」には、伊勢型紙の「癖」と職人の「染め痕」が残ってしまうために、人の目には細密な縞でさえも柔らかく映るのです。細密な縞であればある程、潔い綺麗さが増して行く一方で、柔らかな空気も生まれるのです。
児玉博と浅野栄一。ふたりの職人仕事からつくられたこの竹縞の江戸小紋からは、その縞模様と色加減が相俟って、単純な縞にはない絶妙な美しさを生み出されています。
柔らかな雰囲気のある縞柄の江戸小紋です。様々な帯と合わせてお楽しみ頂けます。
* | 江戸小紋 竹縞との帯あわせ |
・ | 勝山健史 制作 九寸名古屋帯とあわせてみました。 |
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