紋意匠色無地/薄灰色
松岡姫：名物裂 花兎

こちらに掲載をさせて頂いているのは着尺は、京都白生地製造舗『伊と幸』製の白生地『松岡姫』に無地染めを施した色無地着尺。
そもそも、『松岡姫』は、養蚕段階から完全管理され、製造されたて最高品質の純国産の絹です。そして、この『松岡姫』の白生地は、上質な色無地着物をご提案するため、京都白生地製造舗『伊と幸』によって企画製造が手掛けられています。

伊と幸製の『松岡姫』には、柄模様を染めるために製造された「素無地」の白生地と、色無地の景色として地紋を織り込んだ「紋意匠」の色無地がありますが、こちらの着尺は、色無地の着物を、日本的な趣向で飾るために名物裂模様(花兎)が織り出された「紋意匠」です。

色目は、薄浅葱色をイメージして染められています。透明感のような絹の艶感と浮き上がる様な感覚を伝える地紋(花兎)が相俟ってこうした視覚的な効果が生まれてるようです。色加減が、光によって移り変わる繊細さは、『松岡姫』ならではの魅力です。

名物裂とは、室町時代から江戸時代に掛けて渡来した文化的、工芸的な価値のある染織品の中のひとつです。特に、名物裂にはその裂の由来や制作者、所有者の名前などが、名物裂の名称に付けられました。
こちらの紋意匠に織り出されている「花兎」は、明時代に製作された染織品とされ、日本では桃山時代の京都の豪商であり茶人である角倉了以が模作し愛用裂であったでも知られています。
こうした名物裂「花兎」が織り出された無地のお着物は、軽い華やかさと趣味性、そして、礼を想わせるお着物になります。

慶事や茶会/華展、パーティなどにお召し頂けます。