志村ふくみ 制作:草木染め手織九寸名古屋帯
作品名:ざくろ
染織家 志村ふくみ 制作 草木染め手織九寸名古屋帯。
緯縞と経縞でつくられた格子の織物。単純な織物感覚とか個性などを超えて、詩情を想わせる空気に包まれている様な気がします。手織であるとか、草木染料が使われているなどの説明だけでは表現出来ない空気感です。
パステルで描かれたか様な奥行きある色彩やグラデェーションの柔らかさは、経と緯にそれぞれ幾色もの色糸が使われることでつくられています。それは制作者の抒情性に満ちた美的な感性が、機を操り、杼を飛ばすことで生み出された色彩と織の景色として眼に映ります。
歌人が詠嘆的な言葉で詩を紡ぎ出すのと同じように、制作者は草木の色と織で自身の心象風景を作品にしている様な感覚が伝わって来るのを憶えます。
植物は、時が経てば枯れてしまう宿命にある。そんな植物の美しいところをこの染織家は、知っているし、作品に昇華させているのかもしれません。
制作者としては、誰もが美しいと感じられる作品を求めたのではなくて、自身の情感とか感性などが赴くままに織り上げられた作品なのかもしれません。詩的な空気感に満ちた草木染め手織紬です。
文化勲章受章染織家:志村ふくみ 作品
=略歴=
1928年 | : | 滋賀県生まれ |
1955年 | : | 実母小野豊の指導の下、植物染料による染色と紬糸による織物を始める。 |
1957年 | : | 漆芸家 黒田辰秋氏の推薦により、第四回日本伝統工芸展に「方形紋綴帯」を出品。入選。 |
陶芸家 富本憲吉氏 染色家 稲垣稔次郞氏に師事。 新匠会に出品。以後、1963年まで同展に出品。 |
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1958年 | : | 第五回日本伝統工芸展に紬織着物「秋霞譜」を出品。 激励賞受賞。 |
1959年 | : | 第六回日本伝統工芸展に紬織着物「鈴虫」を出品。 文化財保護委員長賞受賞。 |
1960年 | : | 第七回日本伝統工芸展に紬織着物「七夕」を出品。 朝日新聞社賞受賞。 |
1961年 | : | 第八回日本伝統工芸展に紬織着物「霧」を出品。 文化財保護委員長賞受賞。 |
1963年 | : | 富本憲吉氏 稲垣稔次郞氏 逝去。 新匠会を脱会。 |
1964年 | : | 細川護立氏の推薦により第一回作品展を資生堂ギャラリーで開催。 |
1968年 | : | 絞染作家片野元彦氏に藍建の指導を受ける。 |
1970年 | : | 第二十回日本伝統工芸展に紬織着物「磐余」を出品。 二十周年記念特別賞受賞 |
1978年 | : | 日本工芸会理事となる。 |
1981年 | : | 「志村ふくみ作品集」を紫紅社より出版。 |
1982年 | : | 群馬県立美術館にて「志村ふくみ展」開催。 |
1984年 | : | 衣服研究振興会より衣服文化賞を受賞。 |
1985年 | : | 大分県立芸術会館にて「志村ふくみ展」開催。 「現代染織の美(森口華弘・宗廣力三・志村ふくみ)」を東京国立近代美術館で開催。 |
1986年 | : | 紫綬褒章授与される。 |
1989年 | : | MOA岡田茂吉賞大賞を受賞。 |
1990年 | : | 重要無形文化財技術保持者に認定される。 |
1994年 | : | 滋賀県立近代美術館にて「志村ふくみ 人間国宝・紬織の美」開催。 |
2004年 | : | 滋賀県立近代美術館にて「志村ふくみの紬織 初期から現在まで」開催 |
2008年 | : | 滋賀県立近代美術館にて「人間国宝 志村ふくみ 源氏物語を織る」開催 |
福島県立美術館にて「伊砂利彦・志村ふくみ 二人展開催」 | ||
2009年 | : | 滋賀県立近代美術館開館25周年記念講演会第二回「滋賀の文化と環境を語る」をピアザ淡海で開催。 |
2010年 | : | 滋賀県立近代美術館にて「志村ふくみと滋賀の工芸」展開催 浜松市立美術館で「志村の色 志村ふくみ・志村洋子 染と織の世界」を開催。 |
2013年 | : | 京都細見美術館にて「志村ふくみ・志村洋子作品展 しむらの色KYOTO」開催 |
「装いとしつらえの四季 志村ふくみの染織と日本画・工芸名品選」展を滋賀県立近代美術館にて開催。 | ||
京都・岡崎に芸術学校「アルスシムラ」を開校。 | ||
2014年 | : | 稲盛財団主催第30回京都賞(思想芸術部門)を受賞。 |
2015年 | : | 京都・アサヒビール大山崎山荘美術館にて「志村ふくみ 源泉をたどる」展開催 |
軽井沢ルヴァン美術館で「小野元衞・志村ふくみ 兄弟展」開催 | ||
滋賀県立近代美術館にて「志村ふくみ展 自然と継承」開催 | ||
文化勲章受章 |
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