藤山千春 制作
草木染め手織 吉野間道九寸名古屋帯
染織家 藤山千春制作の『吉野間道』九寸名古屋帯です。
「吉野間道」は、平織の中に畝状の織=吉野織で構成された織物です。この吉野織は、染織手法としては、特に珍しいものではありませんが、藤山千春氏が手掛ける『吉野間道』は、他の染織家や織人にはない特有の個性と存在感が感じられます。
藤山千春氏は、女子美術大学を卒業後、染織家:柳悦孝氏の工房に入所され、柳氏の下で多様な染織手法を習得した後、自身の工房を設立します。『吉野間道』は、工房を設立後より、自身の作品テーマとして制作し続けておられます。制作者の美意識が、長い時間を掛けて、何度も、重ねられて、この制作者自身の吉野織が培われてきたのだと思います。それは、まるで、伝統工芸品の様な揺るぎない存在感が感じられます。だからこそ、染織家が手掛けることで生まれる独創的な美しさも色濃く感じられるのかもしれません。
こちらに掲載をさせて頂いている作品は、「吉野間道(緯吉野織)」と6種の「草木染め」を組み合わせて作品構成されています。
ただ、そんなふたつの技法が単純に組み合わせているだけではなくて、「緯吉野織」と「草木染め」をそれぞれ制作者ならでは美的センスが巧みに活かされることで作品構成が図られています。
艶感のある絹織に中に草木染め特有の柔らかな色彩が次々と展開されることで、落ち着いた地色の中に、浮き上がるかの様な草木染めの彩りは柔らかく眼に映ります。また、幾種類もの色糸を織り込むことで彩りのグラデェーションを施すことで、色の奥行きが生まれ、柔らかさとなって映るのです。
そんな色の柔らかな草木染めで表現された彩りを伴って緯吉野は織り出されています。草木染めの彩色と緯吉野織が、藤山千春ならでは美意識によって、見事な調和をつくり出されています。
藤山千春氏の緯吉野作品の中でも、特に草木染めが綺麗に映える作品です。
無地織イメージの紬織物にも、また、絣の紬織物にも合わせてお使い頂けます。
・ | 使用草木:藍、臭木、矢車附子、カテキュー、コチニール、石榴 |
* | 吉野間道 九寸名古屋帯の着物あわせ.. |
・ | 白鷹お召し:板締め絣とあわせてみました。 |
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