こちらに掲載をさせて頂いているのは、生紬素材に『御所解模様』が染められた染め帯。紫色が伝える色加減、そして、染められた御所解が映し出す朧気な気配は、古い小袖の柄模様を写しただけに留まらない抒情的な空気感を伝えています。

この御所解をみていると、あらためて「御所解模様」から伝わってくる"はなやかさ"を感じます。あざやかに彩られている訳ではないし、むしろ、明るさとして沈んでいる御所解にも関わらず、どこか艶やかで、はなやかなさが漂っているのが感じられます。この染め帯に、きっと「御所解模様」の本来的な美しさが宿っているのかもしれません。

彩りあざやかで、はんなりとした御所解の染め帯では馴染み難かった織のお着物にも、この染め帯はお使い頂けます。はなやかな気配を匂わせながらも織のお着物に馴染んでくれる、個性的でありながらもその美的な感覚に不思議なくらい違和感は感じられません。懐しい香り漂う御所解の染め帯です。