草木染め手織紬
制作：田中茂(廣瀬草木染織工芸)
使用染料：西洋茜 梅 蘇芳 ログウッド 玉葱

信州で制作された草木染め手織紬。

廣瀬草木染織工芸で制作される手織紬は、他の織物にはない雰囲気に包まれています。長野県南部の土地で制作された織物でありながらも古く臭さや野趣の感じはなく、むしろ、"麗しい空気感"を感じられます。
絹の美しさ、柔らかさをそのまま織物にしたかの様な素材感に満ちています。まるで繭を羽織るイメージを求めつくられているかの様で、人間の手が掛けられているにも関わらずとてもナチュラルで、無垢な美しさと艶感に覆われています。

経糸には生糸、緯糸には手紡糸が使われた紛れもない紬織物です。何処の土地にも伝わっていないし、よく似た織物を制作している染織作家もいません。絹から生まれた柔らかさと色艶が、そのまま織物に活かされているかのようにも感じられます。

織人:田中茂さんが手掛けたこの織物は、工房の中で制作された手織紬の中でも特にクオリティの高い織物です。草木から得られた自然の彩りを制作者の感覚が赴くままに織り並べられています。西洋茜 梅 蘇芳 ログウッド 玉葱、5種類の草木染めの彩りは、優しく目に映ります。まるで草木染めの美しさを比べているかのようにも感じられます。麗しい空気は、この織物に託された繭の柔らさかや自然の彩りの優しさから生まれているのかも知れません。