草木染め手織紬:みさやま紬
使用草木:栗 上溝桜
織人.横山俊一郎氏が製作した草木染め手織紬/みさやま紬。
まず、この織物を眼にすると..、薄灰色/薄グレイ色の色印象を憶えるかと思います。
でも、「何色なのか?」と問われると、直感的に「薄灰色である」とは答え難かったりするかもしれません...、時折、緯に織り込まれた薄ピンク色系の縞織が眼に付くからでなんでしょうか?
もちろん、この緯段に織り込まれた薄ピンクの縞織の効果は、この織物の印象力となっているんですね。そもそも、この薄ピンク色の縞織がなければ「薄灰色系の無地織」となってしまう訳です。
ただ、この薄ピンク色の縞織の存在感は、別として..、この「薄灰色」そのものも、やはり、何となく平面的で、無機質な感じがしないんですね。
「薄灰色」は、そもそも、色彩として"色としての存在感"のようなものをあまり感じ伝えないような色の筈です。
このみさやま紬の薄灰色なんですが、薄灰色そのものに"色の気配"みたいなものが感じられるです。言葉としては"薄灰色"とか"グレイ色"などとしか表現出来ないのですが..、薄灰色のような色加減に、もうひとつかふたつ色が隠されている感じを伝えているんです。
みさやま紬は、自生している草木植物から、主染料を抽出された織物...、つまり、色のすべては天然染料から得られた色なのです。
制作者である横山俊一郎氏が、手掛ける草木の種類は、多くはないのです。
その土地に自生している植物が殆どあり、また、その種類は限られているのです。しかし、自身が手掛ける草木染料については、何もかも知り尽くしているようです。どんな植物が、どんな季節に、どのような色を出すのか。
"薄灰色"と色に"色の気配"が感じられるのでは、制作者が、このみさやま紬の素材感に"草木染め"ならではの"色の存在感"を敢えてつくり出したからなんだと思います。
草木による染色は、実は、そもそも、ちょっと曖昧な染色なのかもしれません。
均一性と言う点では完璧ではない。もしかしたら、所々"むら"になっているかもしれないんですね。でも、厳密には"均一"でなくても、染め上がり印象が、間違いなく"綺麗なもの"である...、草木染めとしての"色の存在感"を伝えていることが大切な要件なんですね。
このみさやま紬の"薄灰色"には、色そのものに柔らかさとか奥行きの様な質感が感じられ、また、光加減で、この紬織の素材感と相俟って色に濃淡があるが如く感じられるんです。
そして、また薄ピンク色の緯段の縞織は、この薄灰色の織物に、草木染めならではの"柔らかな色の存在感"を更に浮き上がらせているんです。
この薄ピンク色なんですが、やはり、その色の加減に均一がない。そして、薄灰色と薄ピンク色が、相反しているようでもあり、また、感じ良く馴染んでいるです。
そもそも 「薄灰色」と言う無彩色でありながらも、草木の色であるため"色の存在感"があるし..、この薄ピンク色の縞織は、この薄灰色に対して、更に"色気"を与えているんですね。
"色気"です..、着物としての紬織物には、決定的に必要な要件です。
もちろん、薄灰色の無地織であっても、草木特有の柔らかさを伝える織物となるかもしれません。でも、この薄ピンク色の縞織が織り込まれているだけで、この紬織物の存在感は決定的になっているんですね。
薄灰色と言う無彩色でありながら"柔らかで、僅かに甘い感じ"を伝える織物となったのです。
この僅かな薄ピンク色の色加減こそが、このみさやま紬の魅力なんだと思います。
薄灰色..、薄グレイ色が基調の紬織物です。
暗い感じは一切ありません。ひと肌に馴染む薄グレイです。薄ピンク色の縞織が、色調を柔らかく映しています。グレイ系特有の冷たい感じにはならない....、むしろ、温かみをもって映る感じになります。グレイという色彩を、不思議なくらい、明るくお召し頂けます。
単彩印象の紬織物でありながら、それ以上の印象が感じられる紬織物..、草木の質感覚..、手織の質感覚をお楽しみ頂けます。
使用染料:栗 上溝桜
* | 着物と帯のあわせ.. |
・ | 生紬染め帯:小袖模様とあわせてみました。 |
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