錦織：九寸名古屋帯 
有職織物『鳥襷花菱文』
 

錦織で制作された西陣織九寸名古屋帯『鳥襷花菱文』。

正倉院伝来の天平鳥襷文様と花菱文様が重ねられた文様です。天平鳥襷文様は、尾長鳥を襷状にデザインされて文様で、この『鳥襷花菱文』の中では、七宝文様型を構成しています。そして、尾長鳥(七宝文様型)と花菱文様が重ねられたそのデザインは、丸と菱、そして、花と鳥が巧妙に組み合わされ、一切の隙間のない美しいデザイン構成で整えられています。

天平鳥襷文は、その名称が伝えるように正倉院伝来の文様です。これに花菱文様が加えられた『鳥襷花菱文』になると鎌倉時代の『石山寺縁起絵巻』に起源をみることが出来ます。
以来、『鳥襷花菱文』は有職文様のひとつに挙げられ、日本の装飾文化の中でも一際著名な文様として捉えられています。

こちらに掲載をさせて頂いている『鳥襷花菱文』は、有職文様をそのまま写されたかのような彩色が施され、日本文化特有の国風な香りに満ちている様に感じられます。絢爛な美しさはありませんが、品格や美意識の高さを伝えてくれる存在感があります。

色無地、軽い付下、または、無地系の小紋/御召/織物にあわせてお使い頂けます。