経錦:九寸名古屋帯
正倉院文様写し『唐華文錦』
経錦(たてにしき)で織られた九寸名古屋帯『唐華文』。
織り出された文様は、経と緯、斜、すべて対称系でデザインされています。そのかたちは、まるで万華鏡を覗いた時に映る景色を想わせてくれるかも知れません。
こちらに掲載をさせて頂いている帯のデザインは、万葉の時代より正倉院に伝来する文様から写され、経錦(たてにしき)と言う錦織の中で最も古い手法で制作されています。経錦は3つの色を経に織り出すことで柄模様が構成される織物です。僅か3色という限られた彩色にも関わらず、この『唐華文』には、3色以上の色彩印象が感じられるのは、シンメトリー(対称系)で構成された王朝的なイメージを想わせるデザインから生まれる"華やかさ"のせいなのかもしれません。
輝き煌めく華やかさはありませんが、万葉の香りが漂ってくるようなしっとりとした優雅な華やかさが伝わって来ます。正倉院御物は、最高の格式をもった装飾品として1200年間伝えられ、その素材やデザインは、日本の装飾文化の原点にもなっています。特に経錦で織られた正倉院文様の織物には、他の文化にはない、優美で清楚な空気感が感じられます。純粋な日本的美意識に満ちている様なのです。
こちらの『唐華文』は、色無地、軽い付下、または、無地系の小紋/御召にあわせてお使い頂けます。個性を控え、純日本的な品位を着物に表現してくれる帯です。
* | 『唐華文』九寸名古屋帯との着物あわせ |
・ | 江戸小紋『業平菱』(制作:小宮康孝)とあわせてみました。 |
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