西陣織九寸名古屋帯 
二陪織物『サフラン唐草』
 

『白』『金』『萌木(もえぎ)』『鴇色(ときいろ)』。この４つの色が構成するこのデザインからは、新鮮なイメージと同時に、もしかすると何処かで見覚えのある感覚を抱くかもしれません。
そして、麗しく、高潔で、優雅な印象が伝わって来ます。いや、伝わって来ると言う感覚より、むしろ、香ってくるかのような感覚を憶えます。

この織物(帯)は、有職織物の基礎デザインが使われています。織り出された地紋の上に浮織で文様が織り出す有職織物特有の織物(二陪織物)として制作されています。
新鮮なイメージは、この作品のデザインと彩色のバランス感覚から生まれているのかもしれません。地紋として織り出されているのは、有職文様の基となった万葉の時代から継承されている「唐草文様」。そして、浮織で織り出された文様は、制作者自身のオリジナルデザイン。「サフランの花」から興されたデザインです。
日本の文様になかった「サフラン」の文様が、違和感なく有職文様に重ねられることで、「新鮮」、かつ、「何処か見覚える感覚」を伝えているのかもしれません。
現代的な色彩感性と秀逸なデザイン性との美しい調和から生まれた有職織物(帯)です。

色無地、軽い付下、または、小紋にあわせてお使い頂けます。

最後に、この「サフラン唐草」の印象が、「香ってくるかのような感覚」を想わせるのは、サフランが、香料が抽出されるほど、上品な香りを匂わせるからなのかもしれません。