洛風林 制作： 九寸名古屋帯
『スペイン花鳥文』
工芸帯地"洛風林"制作の九寸名古屋帯。
こちらに掲載をさせて頂いている「スペイン花鳥文」は、ヴィクトリア＆アルバート博物館に所蔵されている17世紀のスペイン製織物からデザインが興されている帯地作品です。
この帯にデザインされた草花と鳥は、ユーモラスな雰囲気を伝えています。彩色も明るく、ちょうど良いくらいの"抜け感"も感じられます。
織物＝帯地のデザインとしては、少々珍しいかもしれませんが、着物にあわせた感じからすると、帯としての不自然さは感じられることはありません。
それは、帯としてのきちんとしたデザイン性が施されているからだと思います。"花"は華やかさを誘い、"茎"が描く曲線は、鳥を取り囲むかのように柔らかに伸びて、その先には蕾を付けています。また、その蕾と鳥の間には、僅かな遠近感さえも感じられます。こうしたデザイン性は、絵画的なデザイン性に近い印象を憶えます。
単純に、ユーモラスな雰囲気に止まるのではなくて、帯として綺麗に映る、ちょっとした寓話的な空気を想わせる美意識が感じられる素敵な帯として感じられます。
小紋や紬などのお着物にあわせてお楽しみ下さい。
余談です..。
この「スペイン花鳥文」の構図ですが、花鳥図を得意とした昭和の日本画家:金島桂華が描いた「梅と鶯の図(タイトルは忘れました)」の構図と何となく重なるように思います。綺麗に映る、枝(茎)と鳥の配置とかのバランスには黄金比みたいなものがあるのかもしれませんね。
制作：洛風林
| ＊ | 洛風林:九寸名古屋帯『スペイン花鳥文』との着物あわせ．． |
| ・ | 草木染め手織紬:みさやま紬とあわせみました。 |
| ・ | 本塩沢『蚊絣』とあわせみました。 |
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