宮古上布(重要無形文化財)
新里玲子 制作
使用草木:琉球藍
宮古上布は、国指定の重要無形文化財の苧麻織物。
経糸/緯糸のすべてに手績みの苧麻糸が使われ、天然染料で染められた手織の苧麻織物です。手績みされた苧麻糸や染料となる植物の殆どは、宮古島で採取された苧麻(カラムシ)と植物が使われています。宮古島で得られた原材料だけでつくられる宮古上布の歴史は、およそ400年以上前まで遡ることが出来きます。
そして、宮古上布は、現在も尚、その時代とほぼ同じ制作手法でつくられています。
この作品の制作者 新里玲子氏は、琉球王朝時代の図案(御絵図)に魅せられて、南国特有の色彩とその土地に伝わる絣模様でつくられた宮古上布を制作している染織家です。
制作された作品には、宮古島と言う東シナ海の離島に伝承された宮古上布に対する敬愛が感じられます。染織家でありながらも、その作品には衒いはなく、宮古上布、あるいは琉球織物特有の香りが残されています。 むしろ、その香りこそが、現代的なデザインとして映るように、図られているのかもしれません。
こちらに掲載をさせて頂いている宮古上布は、琉球藍の中に手括りの絣模様が織り出された古来より伝承されて来た"かたち"の作品です。
藍染めは、沖縄本土の藍と宮古島の藍を混ぜた伝承されて来た藍が使われ、デザインは、これも古くから伝わる琉球絣模様が織り出されているだけです。
けれども、古い感じがまったく感じられません。むしろ、何故か新しい感じさえも感じられます。藍染めされた絣織の苧麻織物です。無理に何か新しい作意が表現されている訳でもないのに、現代の織物感覚に満ちています。
この作品から伝わってくる現代的な織物感覚、または、存在感は、制作者新里玲子氏だからこそ生まれた感覚なのだと思います。
特に独創的とは思われない二つの絣模様。大きな絣模様と小さな絣模様が、単純に並べられ織り出されているだけですが、眼に映していると、心地良いリズム感の様な感覚が伝わって来ます。艶やかな藍色の中に絣模様がリズミカルに並んでいる様に感じられます。このリズム感は、制作者だけが織り出すことが出来る感覚で、かつ、現代的で美しい感性を宿しているのだと思います。
人工的な素材感は一切ありません。藍染めと手績みの苧麻糸が相俟ることで、南国の苧麻織物特有の美しい色艶を映しています。素材感は、まるで蜻蛉の羽根の様です。自然の素材感を伝え、涼感を想わせてくれます。そして、制作者の現代的で美しい作品性が心地良く響いています。
盛夏の最高のお着物です。
=経歴=
1948年 | 宮古島で生まれる | |
1972年 | 下地恵康(故人)宮古上布工場に勤める | |
1975年 | 琉球王朝時代の図案に魅せられて、彩り豊かな宮古上布の制作をはじめる。 同年、自身の工房を開設。 |
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1995年 | 日本伝統工芸展 春の染織展 「日本経済新聞社」賞 | |
2000年 | 沖縄タイムス 芸術選「奨励賞」 | |
2002年 | 日本伝統工芸会準会員 | |
2004年 | 日本伝統工芸会正会員 | |
2011年 | 日本伝統工芸展 「奨励賞」 | |
2012年 | 第32回伝統文化ポーラ賞「地域賞」 | |
現在 | 国定重要無形文化財 宮古上布保持団体 代表 |
* | 宮古上布(制作:新里玲子)との帯あわせ |
・ | 薄絹:真糊糸目友禅染め帯『萩と桔梗』(制作:染の小阪)とあわせてみました。 |
・ | 生絹模紗織染分九寸名古屋帯(制作:柳晋哉)とあわせました。 |
・ | 宮古上布 九寸名古屋帯(制作:新里玲子)とあわせてみました。 |
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