平良敏子 白寿記念展

平良敏子 芭蕉布 白寿記念展

 ● 3月24日。沖縄那覇の識名園で開催されていた「喜如嘉の芭蕉布 平良敏子 白寿記念展」に出掛けて参りました。

11年前に開催された「米寿記念展」以来の大きな規模の作品展で、白寿に因んで99点の作品が展示されていました。
99点の喜如嘉の芭蕉布の中には、絣、花織の芭蕉布以外に、煮綛(にーがし) 芭蕉布、花織と絽織を組み合わせた花絽織など貴重、かつ、希少な作品も多数展示されていました。

喜如嘉の芭蕉布の生産が僅かな数となっている現在、この記念展のために数年間掛けて制作されたとは言え、この99点の作品からは、喜如嘉の芭蕉布の歴史/風土/文化などまでもが伝わってくるのを感じることが出来ました。紛れもなく土地と文化に根ざした織物なんだと思います。

なお、展示されていた作品は、撮影NGだったため開催された名勝「識名園」で撮影した写真を掲載させて頂きます。

 

平良敏子 芭蕉布 白寿記念展識名園は、そもそも、国王一家の保養や外国使臣の接待に使われた琉球王族の別邸(迎賓館)で、第二次世界大戦で破壊されたため現在の建物などは1995年までに復元されたものです。
なお、こちらの赤瓦屋根の建物は、御殿(うどぅん)と呼ばれる母屋となります。客間を始めとして計15部屋あります。

今回の「白寿記念展」はこの御殿で行われました。自然光に映り、そして、沖縄の風を受けた喜如嘉の芭蕉布は、これまで感じたことない美しさに満ちている様に感じました。
かつて、柳宗悦が著書「芭蕉布物語」で「今どきこんな美しい布はめったにないのです」と讃えている気持ちがよく分ります。

平良敏子さんは、開催期間中、ほぼ毎日来られて「糸績み」の実演をされておられました。宜味村の芭蕉布会館の方のお話では、今なお、平日朝7時から会館に来てお仕事をされておられるそうです。
「糸績み実演」も撮影動画NGでしたので、とりあえず、平良敏子さんが糸績みされた「芭蕉の糸」を掲載させて頂きました。績まれた糸の色艶はメチャクチャ綺麗です。

平良敏子 芭蕉布 白寿記念展識名園は琉球王朝時代の迎賓館の様な存在です。中国の様式と沖縄独自の様式の折衷様式で建築と回遊式庭園で構成された琉球王朝時代の空気を感じさせてくれる名勝です。

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