芝崎圭一.草木染め絹織物<藤色 熨斗目段織着尺>

芝崎重一/圭一  熨斗目段織着尺*芝崎重一/圭一染織作品のご紹介.. 

熨斗目段織着尺
巾5寸程の緯段が延々と織り出された織着尺の作品です。

柔らかな藤色はログウッドで染められたものです。
この藤色の緯段なんですが、単に緯糸を打ち込んでつくられた景色ではなくて、経絣でつくられた景色なんです。
だから、緯段の変わり目が「スパッ」と切れていない..、まるで変わり目に暈かしが加えられているような絣足(かすりあし)が残されているんです。

こうした配慮は、こうした緯段が景色となる着物の印象を柔らかく映す、見せるためのものなのです。

こうした絣足を残した緯段の織着尺なんですが、時に「熨斗目(のしめ)段」と称されることがあります。
熨斗目の訪問着の雰囲気を、織着尺でつくっているから「熨斗目段」とされているのかもしれません。
ただ、熨斗目の訪問着と比べると「お堅いところ」や「きりっとした感覚」がない..、また、着物としてちょっと大きな景色になるような印象があっても"それ程"ではないんです。
草木特有の柔らかな藤色と白色系がつくる柔らかなコントラストが、ちょっと大きな景色となって却って"いい感じ加減"の印象をつくり出してくれます。

草木と絹織がつくる美しさを堪能できるお着物になります。